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作成日:2024年6月27日
自動車保険の等級とは? 決まり方や仕組みを詳しく解説!
自動車保険には等級制度(ノンフリート等級)が設けられており、自動車の事故歴に応じて保険料の割引率や割増率が変化します。初めて自動車を購入する人にとっては、分かりにくい制度かもしれません。しかし、等級が上がる条件や下がる条件はその後の保険料の支払いにも大きく関係するため、理解を深めておきたいところです。
そこで今回は、自動車保険の等級の概要や、自動車保険の等級が上がる条件、下がる条件、自動車保険の等級の割引率などを詳しく解説します。
自動車保険の等級とは保険料を決めるもの
自動車保険における「等級(ノンフリート等級)」とは、保険契約者の事故歴によって保険料の割引率や割増率を決める区分のことです。
一般的に保険は加入者が保険料を少しずつ出しあって、万が一のリスクに備える仕組みです。しかし、保険料が全員一律であると、事故によって保険を過去に利用し補償を受けた人と、無事故で保険を利用したことのない人、少ない事故で少ない補償しか受けていない人との間で不平等が起こります。
そこで設けられた制度が、等級制度です。保険料の決定方法には独自のルールがあり、個人向けの自動車保険については「等級(ノンフリート等級)」によって保険料が決定されます。保険自体は同じ補償内容であっても、等級ごとに保険料の割引や割増が行われるのです。
自動車保険の等級が上がる条件
自動車の等級は、次の条件のいずれかを満たすことで翌年度の等級を上げることができます。
- ・事故を起こしても自動車保険を利用しなかった場合
- ・起こした事故がノーカウント事故だった場合
- ・無事故で保険の利用がない場合
等級は、原則として保険期間1年間で保険を使わなければ翌年度に1等級上がる仕組みです。ここからは、自動車保険の等級が上がるそれぞれの条件について解説します。
事故を起こしても自動車保険を利用しなかった場合
たとえ事故を起こした場合でも、自動車保険を使わなければ無事故扱いとなるため、翌年度の等級は1等級上がることになります。
「自動車保険に加入しているのになぜ保険を利用しないのか?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。しかし、場合によっては自動車保険を利用することで翌年度の等級が下がり、保険料が割高になってしまう可能性があります。そのため、トータルの支出を考えて、自分で修理費などを負担し、等級を維持する方もいるのです。
自動車保険に加入していても、必ずしも事故の際に自動車保険を使用しなければいけないわけではありません。事故を起こした場合は、自動車保険を使用せずに修理費用を自己負担する場合と、事故によって等級が下がった場合の保険料の支払額を比較し、トータルでどちらが自己負担が少なくなるかを判断するとよいでしょう。
起こした事故がノーカウント事故だった場合
自動車の事故では、事故の内容によっては事故としてカウントされない「ノーカウント事故」というものがあります。そのため、たとえ事故を起こした場合でも、その事故がノーカウント事故の場合は翌年度には1等級上がります。
- ・自分には過失がなく、事故を起こした相手の保険で補償を受ける場合
- ・無保険車傷害特約事故
- ・搭乗者傷害保険事故
- ・人身傷害定額払い保険事故
- ・人身傷害保険事故
上記のような事故に当てはまる場合は、ノーカウント事故として扱われるでしょう。
無事故で保険の利用がない場合
無事故で保険の利用がない場合は、翌年度に1等級上がります。等級の上限は20等級ですので、もし仮に6等級からスタートをした場合には、最短で14年間無事故であれば20等級となります。
自動車保険の等級が下がる条件
保険期間中に、次の事故を起こして保険を使用した場合、翌年度の等級は下がります。
- ・1等級ダウン事故を起こして自動車保険を利用した場合
- ・3等級ダウン事故を起こして自動車保険を利用した場合
以下ではそれぞれの場合についてさらに詳しく解説します。
1等級ダウン事故を起こして自動車保険を利用した場合
1等級ダウン事故とは、1件の事故に対して翌年度に1等級下がる事故で、一部ではあるものの、よく見られる例としては以下のとおりです。
- ・盗難によって車両保険金が支払われた場合
- ・車両火災や爆発が起こった場合
- ・台風や洪水、高潮や竜巻などの水害に遭い、車両を修理する場合
- ・落書きや窓ガラス、いたずらによって破損があり車両を修理する場合
- ・飛来物や落下物によって破損があり車両を修理する場合
これらの他にも、1等級ダウン事故には、偶然起こるものも多く、運転している方が注意をしていても防ぐことが難しいケースが少なくありません。
3等級ダウン事故を起こして自動車保険を利用した場合
3等級ダウン事故とは、1件の事故に対して翌年度に3等級下がる事故で、一部ではあるものの、よく見られる例としては以下のとおりです。
- ・運転中に事故を起こし、通行人がけがをした場合
- ・電柱やガードレールなどに車をぶつけ、自分の車両を修理する場合
- ・他人の車両と衝突をし、自分の車両を修理する場合
- ・当て逃げに遭って、自分の車両を修理する場合
3等級ダウン事故では、車両保険や対物賠償保険、対人賠償保険などを利用する事故が当てはまるケースが多く見られます。例えば15等級の方が3等級ダウン事故を起こしてしまった場合は、翌年度の等級は12等級となります。
しかし、1件の事故において複数の補償項目から保険金を支払う場合でも、等級は3等級までしか下がりません。
例えば、他人の車両に衝突し、相手の車両を破損させた上に、乗車していた人にけがを負わせてしまったとしましょう。この場合、相手の車両については対物補償金が支払われ、相手のけがに対しては対人賠償保険金が支払われることになります。1件の事故について2種類の保険を使用していますが、等級は3等級×2件ではなく、3等級のみ下がります。
自動車保険の等級の割引率
自動車保険は、等級が高くなるほど割引率も高くなる仕組みです。ただし、同じ等級であっても、事故を起こしたことがあるかどうかによって適用される割引率や割増率は異なり、保険料もさまざまです。
また、保険会社によっては等級に応じた割引率や割増率が異なることもあります。多くの保険会社では、「自動車保険参考準率」を基準に、等級ごとの保険料を各社で決定しています。
参考に、以下の割引率票は、損害保険料率算出機構によって算出している「自動車保険参考準率」による等級ごとの割増引率です(※)。等級ごとの割引率は保険会社によって異なるため、あくまでも以下の表は一例として参考にしてください。
等級 | 無事故 | 事故有 |
---|---|---|
20等級 | -63% | -51% |
19等級 | -57% | -50% |
18等級 | -56% | -46% |
17等級 | -55% | -44% |
16等級 | -54% | -32% |
15等級 | -53% | -28% |
14等級 | -52% | -25% |
13等級 | -51% | -24% |
12等級 | -50% | -22% |
11等級 | -48% | -20% |
10等級 | -46% | -19% |
9等級 | -44% | -18% |
8等級 | -38% | -15% |
7等級 | -27% | -14% |
6等級 | +13% | |
5等級 | -2% | |
4等級 | +7% | |
3等級 | +38% | |
2等級 | +63% | |
1等級 | +108% |
例えば、3等級ダウン事故を起こした場合は3年間、1等級ダウン事故を起こすと1年間「事故有」の割引率または割増率が適用されます。この期間は「事故あり係数適用期間」といい、最大で6年、無事故期間があれば1年ごとに事故あり係数適用期間が1年減るという仕組みです。
3等級ダウン事故を起こして16等級から13等級に下がった場合でも、その後3年間無事故の状態を継続できれば3等級上がり、16等級に戻ることになります。事故あり係数適用期間についても0年となるため、16等級の割引率・割増率が適応されます。
なお、自動車保険の保険料は等級だけで決まるわけではありません。車種や年齢条件をはじめ、さまざまな要素で決まるため、同じ等級の場合でも、その他の要素により保険料が割増になるケースもあります。
自分の自動車保険の等級の調べ方
自分の等級を調べる方法のうち代表的なものとしては、以下の3つが挙げられます。
- ・保険会社や保険代理店に連絡する
- ・保険会社のWebサイトのマイページを確認にする
- ・保険証券を確認する
なお、数字の後ろに「6S」や「7B」といったアルファベットが表記されている場合があります。これは、同じ等級でも契約状態や加入者の年齢によって保険料の割引率が異なるためです。細かい区別を分かりやすくするためにこのような表記がされているのです。
保険会社間による等級の取扱い
それぞれの保険会社は、日本損害保険協会を通じて、適用されている等級や契約者の情報を共有しています。これは、万が一等級が下がった場合に、その事実を隠したまま保険会社を乗り換えるという不正行為を防止するためです。
また、自動車保険を解約した場合でも、満期日から13カ月間においては、契約時点の履歴が残る仕組みとなっています。そして、14カ月目以降であれば、等級の履歴が消えます。
つまり、6等級に戻った状態での保険の加入を希望するのであれば、保険を解約してから13カ月間車に乗らないことを検討してみるのも一つの手です。なお、起算については、前の保険契約の満期日から13カ月間であり、解約日ではないた注意が必要です。
長期間車に乗らない場合は「中断証明書」の発行を
例えば海外勤務や転勤などにより長期間車に乗らない場合は、保険会社に「中断証明書」の発行の申請をすることをおすすめします。中断証明書を発行すれば、10年間は前契約の等級をそのまま引き継ぐことが可能です。
ただし、中断証明書の発行については次のような条件があるため注意が必要です。以下はあくまでも一例であり、詳細は保険会社によって異なるため、詳細は加入している保険会社に問い合わせましょう。
1.中断しようとする契約の次の等級が7等級以上であること
2.中断日(解約日または満期日)より前に以下のいずれかに該当していること
- ・災害による滅失
- ・車両の盗難
- ・車両入替により、他の保険契約の対象となる
- ・車検切れ
- ・廃車や売却(譲渡)、リース会社への返却
3.中断日(解約日または満期日)の翌日より13カ月以内に中断証明書の発行を請求すること
なお、1.については、中断する契約の保険期間中に事故を起こしていた場合には、事故の内容によって下がる次の等級が7等級以上でなければいけません。
また、海外勤務などで日本を離れる場合については、次のような条件となっているため、車を手放すことなく10年間は等級を保持できます。
1. 中断しようとする契約の次の等級が7等級以上ある
2. 中断日(解約日または満期日)から6カ月以内に記名被保険者が出国する、または出国予定があること
3. 中断した契約が帰国前(再入国前)の最後の契約であること
4. 中断日(解約日または満期日)の翌日より13カ月以内に中断証明書の発行を請求すること
これらの条件を満たしている場合、中断証明書を発行することで10年間は等級の保存が可能です。無事故で等級が上がっているのであれば、再度自動車保険を契約する際に上がっていた等級を利用することができます。
積み上げた等級がある場合は、ぜひ中断証明書の発行を検討してみてはいかがでしょうか。
自動車保険の等級を上げるためには無事故であることが大切
自動車保険の等級とは、保険者の事故歴に基づいて保険料の割引率・割増率を決定するための区分です。
等級は、1年間無事故の場合や事故を起こしても保険を利用しなかった場合などに1等級上がります。等級が上がれば上がるほど当然保険料を抑えることができるため、20等級に上がれるように意識しながら日頃から安全運転を心掛けましょう。
また、例えば盗難やいたずらなど、自分に非がない場合でも1等級ダウン事故として扱われてしまうため、防犯も行いたいところです。
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